今日は月が綺麗だ
今日は終電を逃してしまって、いつもとは違う路線で帰路につく。改札を出て、ふと空を見上げると月が見える。丸くて明るい月。輪郭がはっきりとしていて美しい月。それに比べて今の私の心はもやっとしていて暗く醜い。手前が暗いから遠くに見える月が明るいのか、月が明るく美しいから手前が暗く醜いのか、
こんな卑しい自分を照らす月が憎い。
ただ美しく輝く月さえも憎らしい今日はもう眠りにつきたい。そうもいかないのが現実だ。汚い自分から目をそらすことは許されない。何より私はまだ帰路を歩ききっていないのだから。
今日は月が綺麗だ